ハイドンが本格的に弦楽四重奏曲を確立したと評価されているのは、作品33の Select... 「太陽四重奏曲」 「ロシア四重奏曲」 「プロシア四重奏曲」 「トスト四重奏曲」 と呼ばれている6曲である。モーツァルトはこの作品に感銘を受け、しばらくやめていた弦楽四重奏曲の作曲を再開し、「ハイドン・セット」と呼ばれる6曲を作曲した。その最後に置かれた《ハ長調K.465》は、第1楽章の序奏の特徴をとらえた Select... 「春」 「ホフマイスター」 「狩」 「不協和音」 というニックネームで知られている。
ベートーヴェンは、ハイドンやモーツァルトの影響を強く受けながら、弦楽四重奏曲の創作をはじめた。作品18の第1番~第6番の6曲のうち、とくに Select... 第3番 第4番 第5番 第6番 は、モーツァルトの「ハイドン・セット」の《イ長調K.464》を意識した作品だと考えられている。