音楽史トライアル(バロック)

中期バロックの音楽家~ビーバー

中期バロックのヴァイオリン音楽の大家にハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバーがいる。ビーバーはボヘミア出身のヴァイオリンの名手で、1670年か71年頃にモーツァルト縁の町の宮廷楽団に入団。副楽長を経て楽長となり、数多くの名作を残した。ミサ曲やレクイエムなどの宗教曲やヴァイオリン音楽を作曲した。とりわけ、宗教的な秘蹟を題材にした16のソナタからなるソナタは、独奏ヴァイオリンと通奏低音の作品で、スコルダトゥーラなどヴァイオリンの様々な演奏技法を駆使したバロックのヴァイオリン音楽の名作として名高い。曲集の16番目に、無伴奏ヴァイオリンで演奏されるソナタ「守護天使」が続くが、これは下降形の主題が何度も繰り返されるによっている。