音楽史トライアル(その他)

日本の国歌

日本の国歌として制定されている「君が代」の歌詞のもとになっているのは、勅撰和歌集であるに収められた読み人知らずの歌である。約1000年にわたってこの歌は歌われ続け、人々に親しまれてきた。明治期に国際的な儀礼の場で国歌(天皇礼式曲)が必要となったとき、まずイギリスの軍楽隊長であったジョン・ウィリアム・フェントンが初代「君が代」を明治2年(1869年)に作曲した。そののち、宮内省の伶人(楽人)のが作曲し、林広守が検閲して修正した旋律を、ドイツ人のフランツ・エッケルトが吹奏楽用に編曲した音楽が、明治13年(1880年)に二代目として選定され、そののち国際的な儀式の場で用いられるようになった。さらに、明治26年(1893年)に文部省により「祝日大祭日唱歌」として告示され、小学校のすべての儀式で歌われるようになったのである。この「君が代」の旋律を、プッチーニはオペラで引用している。