総合音楽講座 > 第3回 メロディーの不思議 > P1

メロディーの成り立ちについて学ぶことができます。

照屋正樹

皆さんはあるメロディーを聴いて「きれいだなあ…、かっこいいなあ…、心地よいなあ…」等、様々に感じることがあるでしょう。今回、それがどうしてなのかを解き明かしてみましょう。

皆さんの中には「えっ?音楽って感性に訴えかける感覚でしかないのだから、それはなぜかといった理性が分析をして、枠組みやグルーピング、組織化等を押し付けることができるの?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。作曲家のインスピレーションによって生まれた意識下での名旋律も数多くあります。しかし、その意識下で生まれた名旋律でも後から分析してみると、なぜ美しいのか理由が見つけられるのです。

なぜかといえば、音楽はあらゆる芸術の中でも表現媒体が 「音」 という人間の感性に直接訴えかける最も純粋な要素で成り立っているため、「脳」の中で音に対して「快い、洗練されている」等の秩序立てを行い、「音」から「音楽」へと変換していきます。つまり、脳が単に「音」だったものを「音楽」としての理由付けを無意識のうちに探し、「快い、洗練されている」 等の感覚へと変換するのです。これはメロディーだけに留まらず、形式、構造、和音進行等あらゆる部分についても言えることなのです。

もちろん、アマチュアの人はそんな難しい事を考えずに、ただ音楽を聴いて楽しめば良いのです。

しかし、今回は音楽をより深く知りたいと思う皆さんに、その秘密をお話ししようと思います。