次に、平均律はどのように作られているかについて、説明しましょう。
19世紀半ばになり、全ての調が同じ半音階を持つように、ピアノは平均律で調律されるようになりました。
もちろん、奏者や調律師の好みで、全てが均等に12音並んでいるわけではないようですが、理論上の半音の振動数比は、2の12乗根(12回掛け合わせと2になる数字)で12√2と書きます。小数に直すと、1.0594630943592952645618252949461...と、どこまで行っても割り切れません。
そもそもハーモニーが合う(共鳴する)というのは、振動数比が整数で表すことができる事なので、理論上の平均律は、どの音をとっても、全くハーモニーしないのです。
平均律の振動数比は以下の通りです。(2の12乗根を 1.0594631 とみなして計算)
C | 2 | 2 |
H | xの11乗 | 1.887749 |
B | xの10乗 | 1.781798 |
A | xの9乗 | 1.681793 |
A♭ | xの8乗 | 1.587401 |
G | xの7乗 | 1.498307 |
F♯ | xの6乗 | 1.414214 |
F | xの5乗 | 1.334840 |
E | xの4乗 | 1.259921 |
E♭ | xの3乗 | 1.189207 |
D | xの2乗 | 1.122462 |
C♯ | x | 1.0594631 |
C | 1 | 1 |
ちょっと脱線しますが、2の平方根は皆さんご存知ですね?
「ひとよひとよにひとみごろ」と憶えた数字です。√2 = 1.41421356...
これは、平均律の場合、増4度(例えば C と F♯)の振動比率になります。