総合音楽講座 > 第8回 ピタゴラスと平均律とトランペット > P6

以上の値を考慮に入れて、全ての運指で、波長の比がどのようになっているかを計算しました。

平均律/ピタゴラス調律/アリストクセノス音律/ツァルリーノ音律/通常使われるトランペットの運指で得られる振動数比(2の12乗根を1.0594631とみなして計算した。)を通常使われるトランペットの音域(2オクターブ半)分、計算しました。数字を見比べてみましょう。

クリックで大きな画像

ピストンを複数使用した場合、平均律とトランペットのピストン構造から得られるピッチとの誤差が生じます。

では、各運指で管の長さがどのくらい長くなるのかを計算してみましょう。

2番ピストンを押す (半音1個下がる) 1.0594631
1番ピストンを押す (半音2個下がる) 1.122462
3番ピストンを押す (半音3個下がる) 1.189207
1・2番ピストンを押す (半音3個近く下がる) 1.181925
2・3番ピストンを押す (半音4個近く下がる) 1.248670
1・3番ピストンを押す (半音5個近く下がる) 1.311669
1・2・3番ピストンを押す (半音6個近く下がる) 1.371132

そこで、1番ピストンと3番ピストンには、リングのようなものが取り付けられており、そこを引き伸ばす事によって、管が平均律と同じ長さになるように調節する事が可能になっています。

またこの補正管は、純正調の和音を作る時にも使用します。