ドミナント・セブンス・コードの代理和音は、音階Ⅱ音の半音下、すなわち♭Ⅱ音をルートとした、
ドミナント・セブンス・コードの♭Ⅱ7になります。
音階Ⅱ音の半音下、すなわち♭Ⅱ音をルートとした、ドミナント・セブンス・コードの♭Ⅱ7で、
Dの和音機能を果たします。
譜例19を見て下さい。①はⅡm7→Ⅴ7→Ⅰ6というコード進行ですが、トップのメロディーはこのままに、
真ん中のコードⅤ7を代理和音♭Ⅱ7に置き換えたハーモニーが② になります。
なお、譜例19②のD♭7の7thは本来ド♭ですが、わかりやすい記譜にするため、異名同音(音名は異なるが鍵盤上では同じ高さの音)のシに置き換えてあります。
では、なぜⅤ7の代理和音が♭Ⅱ7となるのでしょうか、Cメジャーを例に説明します。
譜例20を見て下さい。
G7とD♭7の両和音の構成音をあらためて並べてみると、両和音とも、2番目の構成音と4番目の構成音の音程が
減5度をなしています。この減5度は「トライトーン」(3全音)といってトニックに向かう強い引力があり、
これが両和音の大きな共通性となっているために、コードの置き換えが可能となるわけです。