ブルグミュラーの<25の練習曲>より、アラベスクを分析しました。
作品で使われている素材がどのように発展して音楽を作っているかを学ぶことが出来ます。
清水昭夫
この作品は、ピアノを学習した人の多くが一度は弾いたことのある曲ではないでしょうか。
ヨハン・フリートリッヒ・フランツ・ブルクミュラー(Johann Friedrich Franz Burgmüller)は、特に日本で人気のある作曲家で、1806年にドイツで生まれました。
父もデュッセルドルフ市音楽監督であり、弟も作曲家として高い評価を得ていました。
時代の背景としては、メンデルスゾーン(1809~)、ショパン(1810~)、シューマン(1810~)、リスト(1811~)など、ピアノ音楽の大作曲家たちの活躍と同時期であり、ピアノ音楽がもっとも活発に作曲されていた時期となります。
譜例は作品冒頭部分です。
Allegro scherzando は、「早く 滑稽に」 の意味。続く leggiero は、「軽く」 の意味ですが、楽語から作品のイメージが伝わってくるようです。
今回の分析では、この作品に用いられているフレーズ(素材)を分析し、どのような形で発展しているのかを見ていきます。