・音符にスラーが書かれていなければ、1音ごとに弓を反対の方向に動かしていきます。(弓を返す、といいます)
・スラーがある場合は、スラーがかけ直されたところで弓を返します。
・フレーズをアップから弾き始めるのか、ダウンから始めるのか、ということは重要なことです。(基本的には演奏者が決めます)
・オーケストラではパートごとに同じボウイングで弾くように統一しているので、演奏者の弓の動きが揃っています。
・腕の動きからすると、ダウンの方がアクセントやスフォルツァンドなどの “音を強調する表現” に向いています。
・このため強拍はダウン、弱拍はアップ、が基本とされています。
・ダウンは腕を伸ばす動きなので、重みをかけていくことより力を抜いていくほうがやりやすく、だんだん音を弱くしていく diminuendo に向いています。
・アップは、徐々に重みをかけていくほうがやりやすいので、弱い音から crescendo する場合に向いています。
次の2通りのボウイングを想像してみてください。
※ 最初の La の音の上にある記号が下げ弓をあらわし、次の Si の音の上にある記号(V)が、上げ弓 をあらわします。
右の La - Si - Do - Re の方が、弓を1音符ごとに元の位置にもどさなくてはならないので、右手の動きが激しくなることを想像していただけるでしょうか。
もちろん音にも勢いがつきます。
こういった効果をねらって、作曲家がボウイングを指定していることもあります。