総合音楽講座 > 第2回 木管楽器について > P7

表現は口元から

音色をつくったり、ニュアンスや強弱をつけたりといった表現は、演奏者の息づかい、唇や舌の動き、とすべて“口”にかかっています。演奏者は次のようなことをコントロールしています。

・吹き込む息の量

・吹き込むスピード(速く吹き込むかゆっくり吹き込むか)

・時間的な長さ(短く吹き込むか、長く息を入れるか)

息のコントロールにつかうのが、“タンギング”です。「トゥ」と発音すると舌が前歯の裏に触れます。この舌の動きを使って息を入れたり、止めたりすることがタンギングです。「トゥ」「トゥ」と短く繰り返せば、音も短くなります。

基本的にスラーがかかっている間はタンギングをしないで息を吹き込み続け、スラーが区切れるところ、スラーがかけられていない音はタンギングをします。

メロディーをじっくりと聴かせたいときには息を長くつかう、音をはずませるなら短く息を入れる、クレッシェンドするときは息を徐々にたくさん入れていく・・・歌をうたうような感覚です。

木管の音楽表現は、「息づかい」で決まります。